1012年

カマルドリ修道院 創設

カマルドリ修道院の創設者である聖ロムアルドは、巡礼中にアペニン山脈を訪れその静謐な土地に感動し、カマルドリの創設を決意。
最初に、サクロ・エレモ(修道士が俗世と離れて一生神に祈りを捧げるための住居)を設けます。(写真上部)
後に現在のカマルドリ修道会の基盤となる、弟子や信者また地域の人々のための修道院や教会、訪れた人をもてなす宿坊や食堂などを設けました。(写真下部)
カトリックにおける最古の修道会であるベネディクト会に属していた聖ロムアルドは、ベネディクト会での教訓であり戒律でもある”Ora et Labora”(ラテン語で祈り・労働せよの意味)の精神を掲げ、自然と対峙しながら謙虚な姿勢を忘れずに他の修道士とともに祈りと労働に人生を捧げました。

1048年

カマルドリ修道院薬局 創設

カマルドリ修道院内に、治療所が創設されました。
当時の修道院について『カマルドリ修道院には「病人を助ける仕事をしている修道士」がおり、彼らは「病人の回復を助けるためのケア」を施している』と記されていることから、この治療所の存在は明らかです。
治療所は旅人や巡礼者、地元から訪れる病人の受け入れ先となる病院の機能を果たし、同時に修道士が自分たちで調合したハーブや養蜂による薬を処方していました。
治療所での療法と、調合したハーバルプロダクトを処方する任務を負っていた修道院薬局。
今後、修道院でも大きな発展を遂げていきます。

1276年〜1450年

火災と再建

1276年、カマルドリ修道院と修道院薬局は火災で消滅。1331年に再建されるも、再び火災により消滅してしまいます。こうした悲劇を乗り越え再び1450年に再建され、現在のカマルドリ修道院となりました。
幾度もの大火災に襲われ壊滅しかけましたがそのたびにカマルドリは復活し、現在も当時と変わらぬ姿で旅行者や地元の人の憩いの場所となっています。 

1520年

薬草園の存在と薬局の記録

当時の薬草文化のパイオニアであるベネディクト会での「労働」であった“生活に必要な薬草を育て管理する”ことに加え、カマルドリでは"薬草を収穫し、加工して作った薬を地元の人々に提供する"という薬局としての機能を果たすことも「労働」の一つでした。そのために修道院内には薬草を育てる薬草園があり、薬効の研究も行われました。
1520年、修道院の規則として「外部の医師への給与の支給、病気の治療に必要な薬を決して不足させないための治療所や薬瓶の管理、そして部屋の世話をすることを義務付ける」と定められました。これにより、長きに渡りカマルドリ修道院が病院として管理され機能していたことが分かります。

1810年〜現在

治療所は廃止・薬局は継承

カマルドリ修道院内の治療所は1810年に廃止されましたが、薬局はそのまま残り継承されてきました。当時の治療所の資料や実際に使用されていた文献や器具は、今でも資料室で見学することができ、修道士たちに叡智を与えつつハーブ研究の重要な記録としても活用されています。
ハーバリストでもある修道士たちは薬草に関する研究成果を加え、現在も品質を刷新し続けているのです。

2021年〜

現代の人々の癒しとして再編集

カマルドリ修道院が設立された当時、砂糖やアルコールも貴重な薬として扱われていました。そのため修道士たちが作る薬草を使ったシロップやリキュール、飴なども大切な薬品として重宝されました。
そうした薬であったハーブリキュールなどは、現代の人々への癒しとしてレシピを再編集し作られています。
また何十ものハーブを組み合わせたオイルなどは中世から続く伝統的なレシピのまま、現代へ受け継がれてきました。
カマルドリの製品は幾重もの歴史を積み重ねながら現代まで届けられ、多くの人に愛され続けています。