国立西洋美術館にて「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」開催
国立西洋美術館にて企画展「内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙」が開催されています。
印刷技術のなかった中世ヨーロッパにおいて、人々の信仰を支え、知の伝達を担う主要な媒体だった写本。羊や子牛などの動物の皮を薄く加工して作った紙に人の手でテキストを筆写し膨大な時間と労力をかけて制作される写本は、ときに非常な贅沢品となりました。なかには華やかな彩飾が施され、一級の美術作品へと昇華を遂げている例もしばしば見られます。
開催中の企画展では、筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史氏より一括で寄贈された写本を中心に、約150点もの作品を見ることができます。
その中の展示作品のひとつ「カマルドリ会士シモーネ(彩飾)」は、左下のイニシャルBの内部上段に開いた書物を示しつつ祝福の仕草をする神。下段に伝承上の「詩編」作者ダヴィデが、プサルテリウム(古代の弦楽器)を奏でる姿が描かれています。
カマルドリ会士シモーネ(彩飾)
《典礼用詩編集零葉》イタリア、フィレンツェ 1380年頃
彩色、インク、金/獣皮紙 内藤コレクション(長沼基金)国立西洋美術館蔵
貴重な作品の数々を、この機会に是非ご覧ください。
また期間中はミュージアムショップにてカマルドリの一部商品も取り扱い中です。
内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙
会期:2024年6月11日~8月25日
会場:国立西洋美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、7月16日(火)(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、8月13日(火) は開館)
料金:一般1,700円、大学生1,300円、高校生1,000円
※中学生以下は無料。
※心身に障害のある方及び付添者1名は無料。
※大学生、高校生及び無料観覧対象の方は、入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員1,500円でご覧いただけます。(学生証または教職員証をご提示のうえ会期中、ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)
※観覧当日に限り本展観覧券で常設展もご覧いただけます。
※8月3日(土)は「おしゃべりOK『にぎやかサタデー』」を開催し、常設展・企画展ともに無料観覧日となります。
※会期中、一部作品の展示替えを行います。